新日本保険新聞 コラム

今よく聞くDXって、そもそも何なの?

保険代理店のための分かりやすいDX 1

3段階でとらえれば理解しやすく
多くの事業所で第一歩は既に始まっている

昨年まで生保版にて約3年間「保険代理店のための情報セキュリティ知識と対策」というテーマで執筆しておりましたが、この度損保版にてこのようなテーマで執筆させていただくことになりましたので、改めましてよろしくお願いいたします。

今、多くの代理店で社員や顧客の平均年齢が上がり続けており、事業承継や担当の引継ぎもうまくできていない問題があります。おそらく経営者自身が営業等で顧客に目を向ける時間に忙しく、会社や社員の未来に目を向ける時間の捻出ができていないことが一番の原因ではないでしょうか。

では、そのような会社は20代や30代の人が働きたいと思える環境でしょうか。夢や家庭を持てると思える環境でしょうか。そんな過去になろうとしている今を良い未来へと変えていく環境構築がDX(デジタルトランスフォーメーション)です。まずは、保険業界の未来における経営の必須事項であるDXの主な3つの用語について解説していきます。

デジタイゼーション

よく紙文書の電子化もDXと思われがちですが、デジタイゼーションといい、DXの2つ手前の段階の変革事項となります。アナログデータのデジタルデータ化や、特定の工程における効率化のためにデジタルツールを導入、つまり「ツールのデジタル化」です。他にも営業をオンライン化させたり、パンフレットをタブレット端末で見せるようにしたりする等も含まれます。

デジタライゼーション

デジタイゼーションがツールのデジタル化に対し、次のステップであり、「プロセスのデジタル化」です。デジタルツールを活用して生産性を高めることを目的としていて、例えばRPA(ロボットによる業務自動化の取り組み)を活用して特定業務プロセスの自動化や、カーシェアリングサービスもこれにあたります。時間短縮やミス発生の抑制、労力削減など、全体の作業時間やコストを削減できます。

DX

進化したIT技術を浸透させることによって人々の生活をより良いものへと変革させるという概念のことをいいます。2018年に経済産業省が公表した定義では、企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立することとされています。

教科書通りはさておき、先程の2つと同様の表現ですと、「サービス全体のデジタル化」です。要するに「デジタル化して良い環境を作ろう」と私は解釈しています。

これら3段階のデジタル化をステップアップさせることがDXですが、皆様の会社はいかがでしょうか。ミーティングや研修のリアル開催をコロナ禍でオンライン開催にされたと思いますが、これはデジタイゼーションにあたります。DXって何?分からない!と嘆いていたとしても、意外と第一歩も踏み出せてないという会社はほとんどいらっしゃらないのでご安心ください。一歩ずつでも良いので歩を進めながら大きな帆を広げていきましょう。

▼保険代理店のDXはエムアイシーへ
https://www.viewsystem.info/

第3269号(週刊) 新日本保険新聞[損保版]2023年4月24日

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