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新日本保険新聞 コラム

緊急時の顧客への対応体制を構築する

地域密着型経営のススメ
-人口減少対策は進めていますか?-

第29回目
災害救助法について把握しておこう
緊急時の顧客への対応体制を構築する
各地で相次ぐ大規模天災
代理店としてどう対応すべきか

200人以上の死者を出した西日本豪雨、被害を受けた自動車や建物の保険金支払額は、大手損害保険3グループで約1500億円に上る見通し(2018年8月現在)となり、台風ではない豪雨を中心とした風水害では過去最大規模で、非常に広範囲に及んだ浸水や土砂災害で、被害および被害額が膨らみました。

ちなみに今回被害の大きかった岡山県倉敷市真備町では、住宅購入に伴う火災保険契約の際、ハザードマップで浸水の危険が高い地域と示されていたにもかかわらず、住宅販売会社などから水害保険は必要ないと説明され、加入しなかった住民が少なくないとか。また、内閣府の試算では、日本国内で水災の補償を付けている住宅の割合は66%で、まだまだ低いとデータが出ています。地域密着型経営を行う代理店の保険セールスパーソンであれば、上記のような事例を絶対に繰り返さないよう、お客様に説明責任を果たし、万が一に備えたご案内を徹底していき、このパーセンテージを上げていきましょう。

さて、西日本豪雨では11府県の多くの市町村で災害救助法が適用になりました。この災害救助法というのはご存知でしょうか。この災害救助法が適用されると、各省庁から監督下にある企業等に対し、様々な要請が出されます。保険業界や銀行では金融上の措置が出されましたので、どういった措置だったかぐらいは把握しておくべきかと思います。

その他、被災者生活再建支援法やお客様が水害で保険証券を失ってしまった場合どうしたらいいのか。消費者側で保険契約の有無などを確認する制度として、生命保険協会では災害地域生保契約照会センター、損害保険では自然災害等損保契約照会センターの存在なども、周辺知識として押さえておくべきです。ですが、時間を要するようですし、お客様が契約照会センターではなく代理店を頼る図式となるよう努めたいところです。

今回のような大規模災害時に代理店としてどういった対応を行うべきか、ルール作りがまだの場合、ルール策定の機会にしてみてはと思います。例えば、上記のような周辺知識を社内で共有し、1件1件電話で情報提供していくのも1つ。DMだと届かない場合もありますので、日頃からメールアドレスを収集しておき、火災保険の請求方法はもちろん、周辺知識についてまとめた内容のメールを一斉送信するなど、やり方は様々です。こういった代理店が顧客に情報を届けるサービスは、システムを活用すると指定エリアの火災保険の顧客のみをリストアップすることもできますし、親族への連絡も容易になります。大規模災害時に備え、日頃からシステムを活用し、顧客や契約の情報をメンテナンスしておくことを強くオススメします。

▼保険代理店の大規模災害時に備えた体制作りにMIC-ViewSystem(ビューシステム)をご活用ください。
https://www.viewsystem.info/

第3035号(週刊)  新日本保険新聞[生保版]2018年9月10日

過去のコラムは以下のとおりです。
第1回目 住んでいる町が消えてしまう・・・変化に適応した行動が急務
第2回目 地元ケーブルテレビにレギュラー出演 地域想う同世代の同志との出逢い
第3回目 縦や横のつながりの重要性増す SNSの積極活用で人間関係構築が容易に
第4回目 自社自身の人脈を地域に活かす「あの会社でなければ」と言われるために
第5回目 お客様の顔と名前どこまで覚えています 相手を想う挨拶 些細な会話が原点
第6回目 将来が心配な世帯増加 生保商品の必要性さらに高まる
第7回目 代理店の持つ人脈活用に期待 これまで以上のネットワーク構築が必要
第8回目 顧客情報を自社システムで一元管理 対応履歴こそが最大の財産 細かなやり取りを
第9回目 顧客情報の蓄積、データ化が命運握る 他業種との提携強化で収入源が変化
第10回目 5月には改正個人情報保護法が全面施行 机の上に個人情報記載の書類が・・・
第11回目 志を持つ地域の若手経営者とコラボ企画 新生活がスタートする今が好機
第12回目 地域情報サイトを運営 地域の人や事業者と共に成長する仕組作り
第13回目 人が来たくなるコンテンツは何か?
第14回目 他業種との積極的交流を 地域の中小企業経営者を獲得する
第15回目 保険でお客様の金銭的問題を解決する お金の大切さについて周知しよう
第16回目 顧客数増やす地道な努力 21世紀は分かち合う時代 『対面』の価値をいかに提供するか
第17回目 電子データの活用で広がる顧客からの感謝の幅 情報は代理店にとりかけがえのない「財産」 くれぐれも宝の持ち腐れにせぬように
第18回目 新たな収益源の確保を 自治体との“連携”をキーワードに
第19回目 保険とゴルフの相関関係 よろず屋でありコンサルタント 環境悪化しても必ず活路はある
第20回目 人こそが最大の商材 保険営業マンは頼られる「職人」
第21回目 代理店における採用活動を考える 自由度の高い保険ビジネスの魅力
第22回目 この十数年で業界、社会環境激変 今の業務フローに常に疑問持ち続け
第23回目 AIに取って代わられるのか? 保険の素晴らしさを再認識 保険の仕事は商品よりも人 人と人とが信頼しつながることで成り立つ
第24回目 近隣のハザードマップを用意していますか 顧客、知友人にもぜひともご案内を
第25回目 ビジネスに繋がる人間関係の構築を推奨 地域の団体やコミュニティに所属することは地域貢献
第26回目 さまざまな2018年問題 加速する子どもの減少 地域貢献としてセミナー、催しを積極開催
第27回目 自主的にコンプライアンス順守を徹底することが自らを守る 保険会社から親離れする時に 自ら考え行動することが急務
第28回目 強いチームは皆、同じ方向に向けて進んでいる 組織として機能し続けることが不可欠 強い組織には『イズム』がある
第29回目 災害救助法について把握しておこう 緊急時の顧客への対応体制を構築する 各地で相次ぐ大規模天災 代理店としてどう対応すべきか
第30回目 相次ぐ天災、保険の大切さを痛感 こんな時こそ代理店が「ヒーロー」に
第31回目 異常な天災相次ぐ1年 代理店にとっても多忙な年に 代理店自らの「万一」を考える必要も 組織化で本当の安心感を提供
第32回目 顧客が困ったときに思いだしてもらえるか 相談に乗れる存在になる 情報が保険販売に変わり収益に
第33回目 地方の目立つ自動車保険依存の収益構造 自動運転のニュースには敏感 生保代理店・損保代理店で情報交換の場を設定 代理店間で情報量に圧倒的な差
第34回目 「人」にかわり、「スマホ」や「仕組み」が保険契約を取る時代に 吸収する代理店、される代理店 お客様が喜ばれることは何なのか?
第35回目 「お客さまの声」、前向きに捉え 企業の成長、信頼を高める 苦情管理、適切に行われていますか PDCAサイクルを構築・確認する
最終回 各地で進む人口減少 あらゆる地域で加速化見せる 体制整備、未来への種まきは進んだか? 新たなリスク出現にビジネスチャンスも

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