保険代理店のための分かりやすいDX 12 

生成AIの登場で加速化するDX

メリット大きいDX認定制度

早いもので、このコラムを執筆し始めて12回目、つまり1年が経過しようとしています。DXの重要性は依然として高く、代理店や企業経営における不可欠な事項です。今回はDXの歴史や概念について振り返りつつまとめたいと思います。

DXの歴史と概念は、21世紀初頭のデジタル技術の進化とともに発展してきました。DXの起源は、約20年前の2004年、スウェーデンのエリック・ストルターマン教授が提唱した「デジタル技術が全ての人々の生活を、あらゆる面でより良い方向に変化させる」というコンセプトにあります。この考えは、個人の生活だけでなく、ビジネス運営におけるデジタル技術の活用と変革を示唆しています。

2010年代に入り、DXはビジネス文脈で特に強調されるようになりました。ガートナーなどの英国のコンサルティング会社や、国際的なビジネススクールの教授たちによって、「ビジネス業界におけるデジタル化の必要性が強調」されました。これは、レガシー産業からの内部的・外部的な変化を促進するという文脈で使用され、ビジネスモデルや業務プロセス、顧客関係のデジタル化へのシフトを促すものでした。

日本では、2018年に経済産業省が「DXレポート ITシステム『2025年の崖』克服とDXの本格的な展開」と題した報告書を公開しました。この報告書は、日本のビジネス界にDXの重要性と緊急性を広く認識させるきっかけとなりました。レポートでは、老朽化した基幹システムを更新しないと、大きな経済損失が発生する可能性(通称「2025年の崖」)を指摘し、日本企業にDXへの取組みを促しています。

DXは、単にテクノロジーの導入に留まらない、ビジネスと社会全体の根本的な変革を意味します。デジタイゼーション(情報のデジタル化)やデジタライゼーション(特定のプロセスのデジタル化)を経て、全社的な変革へと進むことがDXの本質です。これにより、ビジネスモデルの再構築、顧客体験の革新、新たな価値創造が可能となります。

ということで20年前に提唱されたDXが、日本国内で注目を集め始めたのはここ数年のことです。しかし、以前のコラムでも紹介した「DX認定制度」など、国を挙げてのDX推進が進んでおり、現在進行形である人口減少による人材不足問題への対応も、DX推進によって急務となっています。

DXの推進は、新技術の適応だけでなく、組織文化の変革やビジョンの共有が不可欠です。全社員がデジタル化の意義を理解し、積極的に変革に参画することで、持続可能な成長を実現できるのです。全社員で進めていくうえで、DX認定制度は具体的なDX推進方針を考え・掲げることから始めますのでオススメです。

DXは、技術の進化と共に、ビジネスや社会における変革の鍵として今後も重要性が増していくでしょう。また、最近の生成AIの進展により、企業はDXをさらに加速させ、新たな価値を創造し、持続可能な成長を実現する強力なツールを手に入れましたので、これを活用しない手は無いでしょう。

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第3313号(週刊) 新日本保険新聞[損保版]2024年3月25日

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