「何を導入するか」から「どうつなぎ、どう生かすか」へ

保険代理店のための分かりやすいDX 43

顧客を中心に情報がつながっていく態勢へ
一つのシステムでは完結させず、良いサービスとは柔軟につながっていく

先月の本コラムでは、金融庁が公表した保険業法改正に関するパブリックコメント結果を踏まえ、これからの保険代理店には「きちんと対応している」だけでなく、「きちんと対応したことを会社として説明できる」仕組みが重要になる、というお話をしました。そのためには、お客様の意向や提案内容、対応の経緯などを、担当者個人の記憶に頼るのではなく、会社の情報として蓄積・共有していくことが欠かせません。

では、それらすべての業務を一つのシステムで行えばよいのでしょうか。私は、これからの代理店DXでは少し違った考え方も必要になると思っています。保険代理店の業務を見渡すと、顧客・契約・事故・対応履歴などを管理するCRMをはじめ、保険会社のシステム、電話、メール、スケジュール管理、比較推奨販売、さらにはAIを活用したサービスなど、多くの仕組みが使われています。それぞれに得意な役割があり、一つのシステムですべてを実現しようとするよりも、それぞれの強みを生かしながら「つなぐ」という発想が、これからますます重要になるのではないでしょうか。

ここで大切なのが、「情報を一元管理すること」と「すべての業務を一つのシステムで行うこと」は違うということです。例えば、あるシステムで作成した情報を別のシステムでもう一度入力しているとしたら、デジタル化していても業務は効率化されません。システムが増えるほど二重入力や転記が増えてしまっては、DXとは逆方向に進んでしまいます。理想は、それぞれの業務に適したサービスを活用しながら、そこで生まれた情報が顧客を中心につながり、必要なときに確認・共有・活用できる状態です。

私たちが開発するMIC-ViewSystemでも、こうした考え方から外部サービスとの連携を進めています。その一つが、AIを活用して商談記録や意向把握、比較推奨販売の記録作成を支援する「保険のキロク」との提携・連携です。MIC-ViewSystemでは、顧客を中心に契約、事故、対応履歴、書類など、代理店業務で生まれるさまざまな情報を蓄積・共有してきました。そこに「保険のキロク」のような専門サービスで作成された情報もつなげることで、募集人による二重入力などの負担を抑えながら、顧客に関する情報をより充実させていくことができます。これは特定のサービスだけの話ではありません。これからAIをはじめ新しい技術や便利なサービスが次々と登場する中で、システムを提供する側にも、自社だけですべてを完結させるのではなく、良いサービスと柔軟につながっていく姿勢が求められると考えています。

DXというと、「何を導入するか」に目が向きがちです。しかし、本当に考えたいのはその先です。「何を導入するか」から、「どうつなぎ、どう生かすか」へ。それぞれのシステムに情報が点在するのではなく、顧客を中心に情報がつながっていく。そんな環境をつくることも、これからの保険代理店DXの大切なテーマではないでしょうか。

この記事は、クラウド型顧客管理システム「MIC-ViewSystem」を開発した、現役の保険代理店である株式会社エムアイシーがお届けしています。

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