代理店業務品質評価制度に向けた取組みが本格化

保険代理店のための分かりやすいDX 39

改正保険業法施行で一変する業界環境
——当面の対象は大型乗合代理店だが 代理店業界全体にも影響は波及

2026年6月1日、改正保険業法が施行されました。

今回の改正では、大規模な乗合代理店を中心に、法令等遵守責任者の設置や苦情処理体制、内部管理態勢の整備などが求められています。直接の対象は一部の代理店であっても、保険代理店全体に対して「適切な募集管理ができているか」「顧客対応の記録を残しているか」「社内で確認・改善する仕組みがあるか」が、より重視される流れになっていることは間違いありません。

あわせて、損害保険業界では代理店業務品質評価制度に向けた取組みも本格化しています。2026年度版の自己点検チェックシートは、業界共通の項目に加え、各保険会社独自の確認項目が追加されるケースもあります。特に乗合代理店では、共通項目だけでなく、保険会社ごとのオリジナル項目にも対応する必要があり、確認すべき内容や管理すべき資料はこれまで以上に増えていくことが予想されます。

ここで注意したいのは、自己点検を「提出するための作業」で終わらせないことです。チェック項目に丸を付け、Excelを提出して終わりでは、本当の意味での改善にはつながりません。例えば、苦情対応の記録、意向把握の履歴、比較推奨の根拠、契約内容確認の記録、募集人教育の実施状況などは、後から確認できる状態で残っていて初めて、管理できていると言えます。

さらに、各社オリジナル項目が加わることで、「どの保険会社から、どの項目を求められているのか」「どの資料を確認したのか」「未対応の項目は誰が、いつまでに対応するのか」といった管理も重要になります。紙やExcelだけで管理していると、最新版の把握、対応状況の共有、改善履歴の確認が難しくなり、担当者任せになってしまう恐れがあります。

ここで役立つのがDXです。DXというと、生成AIやチャットボットなど新しい技術を思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし、保険代理店にとってまず必要なDXは、日々の業務を見える化し、記録し、共有し、改善につなげる仕組みづくりではないでしょうか。

自己点検の結果を一度入力して終わりにするのではなく、未対応項目をタスク化する。担当者と期限を決める。確認資料や対応履歴を残す。改善後に再確認する。こうした流れをシステム上で管理できれば、自己点検は単なる確認作業ではなく、業務品質を高めるための継続的な取組みに変わります。

制度対応は、ともすれば「面倒な作業」と受け止められがちです。しかし見方を変えれば、自社の業務を整理し、属人的な管理から組織的な管理へ移行する大きな機会でもあります。

自己点検を提出のための書類で終わらせるのか。それとも、自社の業務品質を高めるための仕組みに変えていくのか。改正保険業法と代理店業務品質評価の時代において、証跡管理のDXは、代理店経営を支える重要な土台になっていくはずです。

この記事は、クラウド型顧客管理システム「MIC-ViewSystem」を開発した、現役の保険代理店である株式会社エムアイシーがお届けしています。

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