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手入力では対応できない「自己点検チェックシート」

保険代理店のための分かりやすいDX 28

代理店も金融機関
その自覚が問われる時代に

今年の春に公開された「自己点検チェックシート」をすでにご覧になったでしょうか。
2026年度の本格運用を前に、今年度はトライアル運用としての位置づけですが、実質的には「今のうちに最低限の準備を進めておきなさい」というメッセージに他なりません。

このチェックシートは、全国の保険代理店が共通して使うために設計された全170項目の評価ツールで、「経営管理」「保険募集管理」「顧客対応・コンプライアンス」「個人情報・情報セキュリティ管理」「教育・研修体制」など多岐にわたる分野で構成されています。自社の業務運営を自己点検し、継続的な改善を図ることが目的とされています。

一つひとつ確認しながら入力を進めていくと、その量と厳しさに驚かされます。私自身、すきま時間にコツコツ取り組んでいますが、正直なところ完璧とは言えません。ですが、日頃から保険代理店向けの顧客管理システム「MIC-ViewSystem」に業務記録を残しているため、確認資料や好取組事例の記入には大いに役立っています。これも“業務のDX”を進めてきた一つの成果と言えるでしょう。

中でも注目すべきチェック項目がこちらです。

▼点検項目:(2)個人情報保護に係るシステム面の整備
・アクセス権限を役職・職務ごとに制限しているか
・IDの発行・削除管理を適切に行っているか
・データのバックアップと復旧手順が整備されているか
・データや機器の適切な廃棄体制はあるか
・顧客情報の暗号化・パスワード保護を行っているか

これらは単なる技術論ではなく、「保険代理店も個人情報取扱事業者として、外部からのサイバー攻撃にも耐えうる管理体制を整備すべきである」という金融庁の強い姿勢を表しています。

特に今回の保険業法改正は、1996年の自由化、2016年の業法改正に続く「第3の大転換期」として位置づけられています。事業規模の大小にかかわらず、すべての代理店がこの改革にどう向き合うかが問われています。そして今、こうした体制整備を進める上で、DXの力は欠かせません。システム導入による顧客情報の一元管理、業務記録の保存、権限ごとのアクセス制御、パスワードや暗号化といったセキュリティ対策、さらには退職者のID削除やログ管理といった一連の運用フローも、手作業では限界があります。

チェックシートの170項目を“すべて手動”で対応しようとすれば、人的リソースも時間も到底足りません。むしろ、今こそ「DXを活用することで、制度対応に追われるのではなく、制度を味方に変える」時代に入ったのではないでしょうか。

保険代理店が真に生き残るためには、法令対応や顧客保護といった「守りの体制」だけでなく、これを支える業務の「仕組み化=DX」が不可欠です。つまり、DXは経営戦略のど真ん中にあるべき存在なのです。

今回のチェックシートは、単なる規制強化ではなく、「金融機関としての自覚とDX推進のきっかけ」として、前向きに活用していきたいものです。

▼保険代理店のDXはエムアイシーへ
https://www.viewsystem.info/ 

第3377号(週刊) 新日本保険新聞[損保版]2025年7月28日

📘 この記事は、クラウド型顧客管理システム「MIC-ViewSystem」を開発した、現役の保険代理店である株式会社エムアイシーがお届けしています。

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